真皮の役割、ご存知ですか?
お肌は何層にも重なってできているのはご存じでしょうか?
お表面のケアも大事ですが最近ではお肌のさらに奥の層までケアをしていくことが
お肌を健やかに、美しく保つためには大事になってきます。
本日はお肌の構造を掘り下げ、私たちが見ている表面のお肌ではない
さらに奥の真皮層について詳しくお話させていただきます。
目次
- ○ 真皮とは
- ○ 真皮の3つの層について
- ・乳頭層
- ・乳頭下層
- ・網状層
- ○ 真皮のしくみ
- ・線維芽細胞
- ・コラーゲン
- ・エラスチン
- ・ヒアルロン酸
- ○ 真皮の衰え
- ・細胞の酸化
- ・紫外線
- ・お肌の乾燥
- ○ 自宅でのケア
- ・紫外線対策
- ・線維芽細胞を元気に
- ・乾燥対策
- ○ 内側からのケア
- ・食事
- ・睡眠
- ・ストレス
- ○ サロンケア
- ○ まとめ
真皮とは
真皮は、表皮の下にある厚い層になります。厚みは表皮の数倍から数十倍もあり、皮膚の大部分を形成しています。
さらに真皮は表皮と密接な関係にあります。真皮には表皮にはない毛細血管があるためそれを通じて表皮へ栄養を送り、表皮の盛んな細胞分裂や新陳代謝を支える役割をしています。
また、見た目の老化に一番関係が深いと言われています。美しい肌にとっては欠かせないコラーゲン線維やエラスチンなどの線維群からできており、柔らかさやハリ、弾力の源になっています。
乳頭層、乳頭下層、網上層の3つに区別されますが、これらの層ははっきりとした境はありません。また、表皮との境界は波状となっており、表皮側に突き出た部分を乳頭と呼んでいます。
真皮の3つの層について
表皮を大きく形成している3つの層、
乳頭層、乳頭下層、網上層について詳しく見ていきましょう。
乳頭層
表皮に入り込んでいる部分で、真皮の中でも水分が多くある部分です。この水分は真皮の基質とも呼ばれるヒアルロン酸など※ムコ多糖類がたっぷりと含まれています。また、毛細血管や神経線維も存在しています。
※ムコ多糖類・・・ムコは粘着性という意味で生体の動きを円滑にしたり、細胞や組織の表面をなめらかにおおって保護作用があるもの
乳頭下層
乳頭層の直下の部分で、網上層にいたるまでの層のことを指します。乳頭層を支えている基盤で、かつ、網状層とのつなぎ役をも担っています。水分が豊富で皮膚のハリを作ります。
網状層
真皮の大部分を占めており、線維芽細胞により皮膚の重要な構成部分である線維(たんぱく質)を作っています。この線維の大部分は組織の形を保つ大きな線維(コラーゲン)で、そこにゴムのような弾性を与えている線維(エラスチン)が加わっています。これらは皮膚に弾力やハリ与えるとともに、外部からの刺激に対して抵抗力を持ち身体を保護する役割をも持っています。
また繊維の間にはヒアルロン酸が水分を多量に含んだ形で存在しています。
真皮のしくみ
真皮には線維芽細胞や肥満細胞が存在しています。線維芽細胞はコラーゲン(膠原線維)、エラスチン(弾力線維)、基質を産生する細胞です。
それでは詳しく見ていきましょう。
線維芽細胞
線維芽細胞とは真皮にありコラーゲンや肌の弾力作りに重要なエラスチンを作るための細胞です。この細胞が元気でないと肌の構造が弱くなり、老化していきます。また、怪我をしたときに大人より子供の方が傷が早く治るのはこの線維芽細胞のはたらきが活発で元気だからです。
お肌を健やかに、若返らせるためにはこの線維芽細胞が大事になってきます。
コラーゲン
真皮の線維を構成する最も重要なタンパク質になります。
構造性・弾力性を維持するための重要な役割を担っています。
網目状に存在しており、ゴムのように弾力性をもって肌の土台として支えています。
体全体のタンパク質のおよそ30%を占めており、カルシウムやリンとともに骨も構成しています。
通常コラーゲンを生み出す力は年齢とともに低下し、減少していきます。
エラスチン
肌の弾力性を維持するために重要な弾力線維を構成する主要なタンパク質です。
エラスチンはしなやかで伸縮性があり、力を外すと、元へ戻る性質を持つ弾性線維です。
出生前から赤ちゃんの時期に生成され、年齢とともに壊れていき、基本的には再生しないものと言われています。
ヒアルロン酸
肌の水分維持に最も重要な役割を果たしている成分です。
人間の体内に元々存在するゼリー状の物質です。強い粘り気や弾性を持ち、真皮内に多く含まれています。
皮膚や筋肉、軟骨など体のさまざまな部位にあり、細胞同士をつなぐ役割を担っています。
網目状になっているコラーゲンの隙間を埋め尽くすように満たし、コラーゲンの弾力性を高めているのがヒアルロン酸です。
真皮の衰え
真皮の機能が衰える主な原因は4つほどあります。
紫外線、お肌の乾燥、細胞の酸化、加齢です。
加齢は自然の摂理のため、抗えません。
ですが、紫外線や細胞の酸化、お肌の乾燥は気を付けることができます。
まずは、細胞の酸化や紫外線、お肌の乾燥が真皮に悪い理由をお話しします。
細胞の酸化
私たちは生まれた時から、絶えず呼吸しています。
そして、呼吸によって体内に取り込んだ酸素が一部、活性酸素に変化します。
活性酸素はある程度は必要ですが、過剰にできてしまって、脂質と結合することで過酸化脂質(酸化してしまった脂質)となります。
これが、細胞を「錆びさせる」原因です。
細胞の錆びは、お肌や体内の組織にダメージを与えて、体内に溜まっていき、線維芽細胞のはたらきを弱めます。そして、真皮内のコラーゲンやエラスチンを硬くし、皮膚からハリや弾力を奪い、老化を進めます。
紫外線
紫外線ダメージも真皮の大敵です。紫外線を長い間浴び続けていると、シワやシミ、ほうれい線、たるみといったエイジングサインが出てきます。
これを「光老化」といいますが、真皮が長い期間のダメージを受けた結果なのです。
お肌の老化の原因は、約2割が加齢によるもので、残り約8割が紫外線によるダメージです。
この紫外線にはUVA、UVB、UVCとありますが、お肌に届くのはUVAとUVB。
このうち、真皮にまで届くのは、地上にある紫外線の約95%を占める「UVA」です。
中でも、波長の長いロングUVAが悪影響を与えます。
真皮にまで届いた紫外線は、少しずつ蓄積していき、真皮内のコラーゲンやエラスチンを変性させます。
そのため、真皮のはたらきが少しずつ低下していき、シワやたるみが起こりやすくなります。
また、紫外線は活性酸素を発生させる要因でもあります。
さらに、最近ではブルーライトや近赤外線も真皮にダメージを与えると考えられています。
お肌の乾燥
意外かもしれませんが、お肌の乾燥も真皮の衰えの原因になることがあります。
それは、お肌の乾燥が続くと、バリア機能が衰えるからです。
表皮と真皮はつながっているので、バリア機能の低下が長く続くと、真皮にも悪影響を与えるのです。
自宅でのケア
先ほど、真皮の衰えについてお話をさせて頂きました。
では次に健やかな真皮を保つには、よくしていくにはどうゆう対策をしていくべきなのか
ご自宅でできるケアをご紹介していきます。
紫外線対策
なんといってもやはり重要になってくる基本は紫外線からお肌を守ることです。
紫外線対策として次のようなことがあげられます。
①日焼け止めを使う
②日傘や、帽子を利用する
③サングラスをかける
④袖や襟のある服で体を覆う
⑤なるべく日陰を利用する
紫外線は夏は特に気を付けていただきたいですが、その他の季節でも変わらずケアをすることが大切です。
線維芽細胞を元気に
真皮にある線維芽細胞が弱るとコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などが減っていくので、これらの成分を補給したいところですよね。
最近では、真皮に働きかけることができるスキンケアも注目されています。今まで医療機関でしか取り扱いが多かったレチノールやレチノイン酸トコフェリルなどのビタミンA(誘導体)が含まれているスキンケアも市場で見かけるようになりました。
またビタミンC(誘導体)、ビタミンE(誘導体)といった成分も、線維芽細胞の活性化に期待ができます。
乾燥対策
真皮だけでなくお肌全体として、老化を緩やかに進めるには、エイジングケアの基本である「保湿」をしっかりすることです。
表皮の角質層の水分保持機能を正常に保てるよう、ご自身の水分バランスにあったスキンケアをとり入れるようにしましょう。
また、美容液や保湿クリームで、より保湿力を高めるケアをするのもオススメです。
内側からのケア
ご自身でできるケアとしてもうひとつ、内側からのケアについて詳しくお話しさせていただきます。
健やかなお肌には欠かせないケアになってきますので、取り入れていただくといいですね。
食事
からだが酸化しないよう、抗酸化力の高い食べ物を積極的に取り入れましょう。
からだの栄養バランスが整うと、お肌の隅々に栄養素と酸素を届ける血行もよくなります。
抗酸化作用が高い食べ物は次のようなものがります。
・リコピン:トマト、スイカ、柿など
・イソフラボン:大豆、豆乳、豆腐など
・ペクチン:りんご、みかん、イチゴなど
・β-カロテン(ビタミンA):カボチャ、ほうれん草、ニンジンなどの緑黄色野菜
・ビタミンC:レモン、キウイフルーツ、グレープフルーツなどの果物
・ビタミンE:アボカド、ブロッコリー、ナッツ類など
などがあります。
中でも、大豆など女性ホルモンのバランスを整える食べ物はおすすめです。
睡眠
言うまでもなく、お肌の細胞は夜に生まれ変わります。
10時~深夜2時がお肌にとっても美容にとってもゴールデンタイムになります。
真皮のためにも、夜10時までには寝るようにして、質のよい、十分な睡眠がとれるようにしましょう
ストレス
イライラしたりで、ストレスが続くと、私たちのからだは活性酸素が増えてきます。
活性酸素が増えすぎると、前述したように、真皮の線維芽細胞にダメージを与えます。
結果、コラーゲンやエラスチンを低下させ、お肌のハリ・弾力がなくなっていきます。
そして、真皮がダメージを受け、シワやたるみを刻んでしまうことになってしまいます。
ストレスをためない方法は人それぞれです。
スポーツをする、友人と話す、お買い物をする、美味しいものを食べるなど、ご自分にあった気持ちの静め方で、真皮での活性酸素を増やしすぎないようにしましょう。
サロンケア
最近では再生医療やサロンでのケアも注目されつつあります。
美容領域に応用される再生医療も、今ではさまざまな治療法が登場しています。
通常塗布だけでは真皮にまで成分が到達しないため、お肌の奥に成分を入れるためのイオン導入や真皮に働きかけることができるスキンケアの取り扱いも美容医療機関やエステサロンを中心に広がってきました。
ご自宅以外のケアもしていくとさらにお肌は活性化され健やかに育つと思うので
併用してしていくのがおススメです。
まとめ
本日は真皮について詳しくお話をさせていただきましたが、いかがだったでしょうか?
聞いたことがあるし、健やかな肌作りには必要だと知っているけどいまいちどうゆう役割なのか
詳しくご存じではなかった方も多いのではないでしょうか?
今日はそんな方が少しでも真皮や重要な役割を知って私生活にも活かすことができたなら幸いです。
真皮を衰えさせないためにしっかりと紫外線対策や乾燥などにも気を付けていきましょう。
さらに今後、真皮は注目されていくと思います。正しい知識を身に付け、スキンケアにも活かしていきましょう。