細胞 体のしくみ
私たちの身体は、たくさんの細胞からできあがっています。
今回は、普段ではあまり考えたことがない小さな小さなミクロの世界のお話です。
目次
- ○ 細胞の基礎知識
- ・細胞の数
- ・細胞の大きさ
- ・細胞の形
- ○ 細胞小器官
- ・小胞体
- ・リボソーム
- ・ゴルジ装置
- ・中心小体
- ・ミトコンドリア
- ・核小体
- ・リソソーム
- ○ 細胞を健康チェック
- ・細胞の健康度チェック
- ○ まとめ
細胞の基礎知識
細胞とは簡単には、「細胞膜」という袋に遺伝情報を蓄えている「核」があるもので、細胞を持っていることが、生物の定義ともされます。細胞を意味する英語の「cell」の語源はギリシャ語で「小さな部屋」を意味します。この「小さな部屋」=細胞には、さまざまな機能を持つ部品のようなものがたくさん集まって構成されています。
体を構成する細胞にはたくさんの種類がありますが、それぞれの細胞は独自の構造と機能をもっています。例えば、次のような種類の細胞があります。
・血球
・筋肉細胞
・皮膚細胞
・神経細胞
・腺細胞
細胞には、血液中を自由に移動する血球のように互いに結合しないものもあれば、筋肉細胞のように互いにしっかり結合するものもあります。
また、皮膚細胞のようにすばやく分裂と再生を行う細胞もあれば、特定の神経細胞のように異常な状況下でなければ分裂も再生も行わない細胞もあります。
皮膚や筋肉、内臓などは細胞が集合して、ひとりの生体として成り立っているのです。
細胞の数
細胞の数は、およそ60兆個と学んだ方が多いと思いますが、2013年に発表された論文によると、37兆個であると分かりました。なんと細胞の数、約半分ほどまでに減りました!!
現代科学は、現在進行形でどんどん新しい情報に塗り替えられています。
細胞の大きさ
細胞の大きさもさまざまです。
最も小さい細胞はリンパ球で直径5㎛(マイクロメータ 1㎛=1/1,000㎜)。赤血球は7㎛~9㎛、骨格筋細胞は50~100㎛、
最も大きいものは卵子で直径120㎛。0.1~0.2㎜程となりますので、集中してみると肉眼でも見ることが出来る大きさとなります。ちなみに、ダチョウの卵子は約7㎝もあるそうです!!大きい…!
細胞の形
細胞の形もさまざまです。
血球の代表的な細胞、赤血球は円盤状で中心がくぼんでいます。
筋細胞は扁平で筋線維が集まり、数センチくらいの長さがあります。
神経細胞は枝状でとても長く、長さが1mにもなるものもあります。
細胞小器官
細胞膜の中には、細胞自体でエネルギーを合成したり、いらないものを排泄したりしているいろんな機能を分担して、1つの細胞が成り立っています。まるで細胞一つが、各々の国や社会のようなイメージです。それぞれの小器官の働きや役割について紹介していきます。
小胞体
解剖核の中にある小さな袋状の小器官。タンパク質の合成が作られ、「ゴルジ装置」という小器官でタンパク質の加工が行われます。小胞体は、存在する場所によってさまざまな働きをします。例えば、肝細胞ではグリコーゲンの合成や有害な物質を解毒する作用。副腎皮質や卵巣・精巣ではステロイドホルモンの合成、筋細胞では筋肉が収縮するときに必要なカルシウムイオンの貯蔵などです。
リボソーム
粒状の小体。核から運ばれきたメッセンジャーRNAの情報に従い、アミノ酸をつないでタンパク質を作っていきます。ここで作られるタンパク質は細胞外と細胞内に利用されます。
ゴルジ装置
扁平な袋が積み重なってできたもの。タンパク質加工工場としての働きがある器官です。独自の修飾をタンパクに施していきます。修飾は糖鎖の付加、脂質の付加、リン酸化など多岐にわたります。この違いが札のような役割をして、さまざまな種類のタンパク質が生み出されます。また、「リソソーム」もつくられます。
中心小体
円筒形の小体で2つ1組。細胞分裂の時に、染色体を引き寄せる磁石のような役割です。
ミトコンドリア
0.1~1㎛のソーセージ状の小体。酵素を含んでおり、種々の酵素により栄養素を燃焼して細胞の活動に利用します。筋肉を動かす、呼吸や内臓が働く、脳・神経が活動する力など体内のあらゆる細胞を動かすエンジンの役割です。ミトコンドリアは、赤血球などの一部を除き、ほとんどすべての細胞にあります。エネルギーをたくさん使う器官ほどミトコンドリアも多く存在しており、心臓の筋肉細胞や肝細胞にはミトコンドリアがびっしりひしめき合っています。
核小体
細胞核のことをいい、核の中には細い糸状のものがつまっており「染色体」といいます。普段は糸状ですが、細胞分裂が始まると糸がまとまって太くなります。この染色体は、生物の設計図の入れ物のようなもので、その中には核酸の1種であるDNAがあります。DNAはヒストンというタンパク質で巻かれてきれいに折りたたまれています。
核については、今後細胞分裂についてのブログで詳しくまとめていきたいと思います。
リソソーム
酸性の袋に包まれた小体で、不要になった核酸、タンパク質、多糖、脂質などの成分を分解して消化する酵素が含まれています。この作用をオートファジー(自食作用)といい、細胞自身正常に機能しなくなり、不要になった時や体内に侵入してきた異物を包み込み分解する働きがあります。分解された物質は、リサイクルできるものは再利用され、不要なものは排泄されていきます。細胞のお掃除係の働きを持つリソソームは、劣化している細胞は大量の活性酸素を放出し、遺伝子が傷つき、発がんにつながることを食い止める役割も担っていることから、最近の研究でとても注目をされています。オートファジーの働きは加齢とともに低下するのですが、これは「ルビコン」というタンパク質が年を取ると増え、オートファジー機能が低下してしまうということが判明しています。ルビコンは高脂肪食を取り続けることでも増加します。高脂肪食を取り続けると脂肪肝になりますが、これもルビコンの増加であることが分かっています。加齢は食い止めることが出来ませんが、オートファジーを活性化させることで、健康寿命を延ばせることが可能なのです!
オートファジーを活性化するのに、日本食はとても良いとされています。納豆やみそ、チーズ、きのこ類に多く含まれる「スペルミジン」はヒトの細胞でオートファジーを活性化するという研究結果が出ています。
このように、オートファジーは細胞の新陳代謝を担っていることで、美容と健康に深くかかわっており、最近とても注目されています。
次回は「細胞再活性化」という新しい発想が注目されているのですが、オートファジーも深くかかわっているため詳しくをご紹介したいと思います。
細胞を健康チェック
ひとつひとつの細胞が栄養を吸収・消化してエネルギーにすることで、私たちの生命活動は支えられています。細胞が集合して一人の生体となっているのですが、それは複雑なシステムで成り立っていることを今回、紹介させて頂きました。身体の不調や衰えの原因は、細胞自体が元気がない状態とも言えます。
細胞の健康度チェック
3つ以上当てはまった方は、細胞の働きが弱くなっている可能性が高いです。
・お通じが良くない
・傷が治りにくい
・体臭、便臭、口臭が気になる
・風邪をひきやすい
・元気が出ない、疲れやすい
・お酒が弱くなってきた
・アレルギーやアトピーの症状が悪化した
・肌荒れがひどくなってきた
・シミやしわが増えてきた
・血圧が高くなってきた
・血糖値が気になる
・いつの間にか体重が増えた
・しっかり寝たつもりでも寝起きがスッキリしない
まとめ
細胞の元気度合はいかがでしたでしょうか?
今回は生体のおおもとである細胞についてお話させて頂きました。細胞一つ一つが働いてくれてるおかげで、自身が活動できるとイメージすると、人体の複雑さや緻密さに驚嘆しませんか?!
次回は細胞を活性化する方法や細胞を活性化するとどのようなメリットがあるのかを、現在の最新情報とともにお伝えします!